2022年5月17日 株価が急落したアサヒグループホールディングス
株価の急落の要因は分かっています。決算の数字が悪かったから。これに尽きる。どれぐらい悪かったのかといえば、めちゃくちゃ悪かった。確かに悪かった。でも、それは、見た目だけの問題です。しかし、見た目だけ悪かったとしても株価には「急落」という態度で示されます。それが、株式相場の怖いところでもあります。
2023年度1Q決算がどれほど悪かったのか?
- 売り上げ:9%増
- 事業利益:13%減少
- 営業利益:83%減少
悪いですよね。あり得ないぐらいの数字です。ちなみに、今期の本決算の予想は、売り上げ10%増、事業利益10%増、営業利益3%増です。
強気の予想ではないですけど、前年と比較してそこそこ増収増益予想を年初に立てていたアサヒグループホールディングスですが、1Qでやらかしました。そして、株価は急落です。11%の暴落です。
1Qの決算の中身を見てみます
数字は悪かったのですが、どこが悪かったのか?それを見ないことには判断は下せません。
見るべきは数字の悪かった営業利益。その中に、「固定資産除売却損351億円」「減損損失128億円」があります。日本的な会計ルールだと、これらの項目は特別損益に計上されるのですが、国際会計では、営業利益に含まれてしまいます。減価償却が営業利益に含まれるから同じようなものかなとも思いますが、日本人的には違和感がある計上ルールです。
ただ、それを知らない投資家は、数字で判断しますので、営業利益が83%も下がった、ことに驚いて、株式の売却へ走り、株価が急落しました。
株価の推移
ウクライナ危機で全体的に下がった時にアサヒグループホールディングスも下がりました。そこから切り返し、値上げ報道で株価が跳ねたところでした。
株価の分析
決算説明書にも記載されていましたが、「おおむね予定通り」とのことみたいです。可能であれば、おおむね分かっていたことであるなら、前もって知らされていればここまで売り込まれることはなかったように思います。アナウンスと丁寧な周知は大事です。急落で得するのは新規の株主で、既存株主には痛手です。
決算の真相は分かりました。大型株でもありますし、投資家にというか日本中が知っている企業ですので、すぐにも株価は戻るような気がします。